プリウス50系 ボンネット/左右フェンダー/バンパー/スポイラー 鈑金修理事例
江南市に在住のA様より、トヨタ「50系プリウス」の修理依頼が、ありましたので紹介させて頂きます。御来店される前の段階では、部品は交換の予定でしたが、保険対応では無くユーザー様の負担という事になりましたので鈑金修理で施工する事となりました。ユーザー様の思い入れがある車両なので大切に扱わせて頂き、納車の際は何も無かったように仕上げる事を約束して預かりました。
工場内にて、主な外装品から外していきます。フロントバンパー・ヘッドランプ・フロントグリルなどの外装品を取り外します。
前回りが何も無くなったフロント部分です。同時にフロントバンパーに装備しているスポイラー(モデリスタ)の傷の修正も行います。本来ならば交換したい部品となりますが、今回は修理対応ですので職人の腕の見せ所となります。
スライディングハンマーを用いてフェンダーの形成します。スライディングハンマーとは、引き出すハンマーの事を言います。凹んでしまった部分を通常は裏から叩いたりしますが、構造上できない時などは、凹んでいる部分に一時的にワッシャをボディに溶接して、このハンマーを先に引っ掛けて引っ張り出します。微妙な力加減で形成させますので腕の見せ所の一つです。
綺麗に右フェンダーのモールラインが形成されましたので、板金パテを塗布して下地を作っていきます。パテを自然乾燥させている間に、逆の左フェンダーのモールラインも同様な作業をして形成しておきます。左右で同じような箇所が凹んでますが、正面から衝撃を受けた際に、左右に力が逃げた為だと思います。
板金パテが乾燥したら、サンドペーパーを使用して形を整えていきますが、見た目以上に繊細な作業ですので指や掌などの感触で完成度の違いが出てきますが、ベテラン揃いですので心配は無用だと思います。サンドペーパーで形成して僅かな隙間などが生じますので、二回目の板金パテを塗布して遠赤外線ヒーターを使用して乾燥させていきます。
時間をじっくりかけて乾燥させた後に、ポリパテの塗布をして更なる下地処理して表面を滑らかにしていきます。ポリパテとは、板金パテの次に使用するパテで、主剤に少量の硬化剤を混ぜ合わせて、化学反応で硬化させるペースト状のパテとなります。見てからも分かるように色の違いからも分かります
ポリパテも同じように遠赤外線ヒーターにて乾燥させてから、次の工程としてサフェーサーを塗布します。その際は、ビニールや専用マスカ(養生シート)を使用して養生します。サフェーサーとは、塗膜の滑らかさを向上させる為に塗布するもので、下塗りと上塗りの中間に使用する塗装です。
ボンネットは、中古部品を使用するために色替えの作業ですが、中古ならではの僅かな凹みなども発見できますので形成してから同様にサフェーサーを塗装していきます。
フェンダー部分の乾燥が終わりましたので、水を含ませたサンドペーパーを使用して水研ぎして最終段階です。サンドペーパーも番手の大きい物から小さい物に変化させて研いでいきます。この作業も繊細な作業になりますので、長年の感触で行います。まさに職人技だと思いませんか? 私自身も、研ぎ終わった後から実際に表面を触ってみましたが、本当に何も無かったような滑りが掌に伝わり技術の高さを感じました。
塗装ブースに移動して、専用マスカ(養生シート)を用いてしっかりと養生します。いよいよ本塗装に入りますが、今回の塗装ブースは第二工場の塗装ブースでの作業になります。当社は塗装ブースも2カ所設置してますので、どのような塗装でも任せてください。全塗装も自信もって施工できますので宜しくお願いします。
しっかりと養生されたプリウスです。ボンネットは単体で塗装しますので吊り下げて塗装しながら、フロントバンパーも同時に塗装します。
ボンネットは単体で吊り下げ塗装したので、注意したいのが塗装による垂れやムラだったのですが、綺麗に塗装が終了して艶も出ています。同様にフロントバンパーも塗装して遠赤外線ヒーターを用いて乾燥させていきます。
フロントバンパーの塗装も終わりましたが綺麗に仕上がりました。垂れやムラも無い塗装で、何も無かったように仕上げますので確かな技術です。乾燥させてから取付の工程に入りますが、埃や塵など確認して取付作業に入ります。
僅かな傷など無いか細部に渡り最終チェックします。埃や塵などあれば、ポリッシャーなどで除去します。問題なければ外装部品の取り付けです。完成まで後少しの状態まで近づいてきました。
外装部品も取付完了したプリウスです。工場から出して太陽光にあてながら磨きをかけて完成です。外装色が黒色ですので塗装ムラなどが起こりやすいので細心の注意を払って点検しながら磨きます。洗車をしてから、ユーザー様に連絡して納車となりました。非常に喜んで頂きましたので私達も良かったです。ティーアールシーでは、どのような鈑金でも施工できますし、部分塗装でも全塗装でも施工しておりますので気になる方は、まずは御相談ください。親切・丁寧にお答えさせて頂きますので宜しくお願い致します。
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